手首の激痛…スポーツ腱鞘炎を最短で治す!

※この記事は約20分で読めます。

その痛み、我慢が美徳だと思っていませんか?

「練習中はアドレナリンが出ているからなんとか動ける。でも、練習が終わって家に帰ると、ドアノブを回すのさえ辛い…」

私の接骨院には、このような悩みを抱えた学生アスリートや、週末にスポーツを楽しむ社会人の方が数多く来院されます。特にテニス、野球、ゴルフ、バドミントンなど、道具を握って振るスポーツにおいて、手首のトラブルは避けて通れない課題です。

結論からお伝えすると、スポーツによる腱鞘炎は、気合いや根性では治りません。

むしろ、「痛いけど我慢して練習する」ことは、フォームを崩し、最終的には肘や肩など他の部位まで壊してしまう「負の連鎖」の入り口です。しかし、絶望する必要はありません。正しい医学的知識を持ち、適切なタイミングで適切な処置を行えば、「練習を長期離脱することなく」治癒を目指すことは十分に可能です。

この記事では、国家資格を持つ柔道整復師のとプロのトレーナーとして活動生てきた視点から、スポーツ現場で多発する腱鞘炎のメカニズム、そしてご自宅ですぐに実践できる「攻めのセルフケア」について解説します。

似たような機序で起こるテニス肘、ゴルフ肘についてはこちらで解説しています。

目次

なぜスポーツで「腱鞘炎」になるのか?本当の正体

まずは敵を知ることから始めましょう。多くの人が「使いすぎ(Overuse)」という言葉で片付けがちですが、身体の中では具体的に何が起きているのでしょうか。

トンネルとロープの関係で理解する

手首には、指を動かすための「腱 (けん)」という紐状の組織がたくさん通っています。そして、その腱がバラバラにならないように束ねている「腱鞘 (けんしょう)」というトンネルがあります。

  • 腱 = ロープ
  • 腱鞘 = トンネル

とイメージしてください。

正常な状態であれば、ロープはトンネルの中をスムーズに行き来します。しかし、スポーツで激しい手首の曲げ伸ばしを繰り返すと、ロープとトンネルの間で摩擦が起き、熱を持ちます。これが炎症です。炎症が起きるとトンネルの壁が腫れて厚くなり、通り道が狭くなります。その狭くなったトンネルを無理やりロープが通ろうとするため、さらに擦れて痛みが増す…これが腱鞘炎の悪循環です。

※イメージです。

「使いすぎ」以外の2つの原因

同じ練習メニューをこなしていても、腱鞘炎になる人とならない人がいます。この差はどこにあるのでしょうか?

  1. フォームの崩れ(手打ち)体幹や肩甲骨を使わず、手先だけでボールを打ったり投げていたりすると、大きな筋肉で生み出すべきパワーを、手首という小さな関節だけで受け止めることになる。そうすると許容量をすぐにオーバーして特に疲れが出てくる練習後半にフォームが崩れ、受傷するケースがみられる。
  2. 道具の不適合(弘法筆を選ばず、は嘘)ご自身の手に合わない道具は凶器になる。
    • テニス: グリップが太すぎる、ガットのテンションが高すぎる(硬い)。
    • 野球: バットの重心バランスが合っていない。 これらは無意識のうちに「強く握りすぎる」動作を誘発し、前腕の筋肉を常に緊張状態にしてしまう。

スポーツ別・気をつけるべき腱鞘炎の種類

一言で「手首が痛い」と言っても、痛む場所によって病態は全く異なります。ここではスポーツ現場で特によく見られる2つのタイプを紹介します。

親指側が痛い:ドケルバン病 (狭窄性腱鞘炎)

親指を広げたり伸ばしたりする腱(短母指伸筋腱・長母指外転筋腱)に起きる炎症です。

  • 好発スポーツ:テニス、ゴルフ、野球、スマホゲームのやりすぎ
  • 特徴:物を握る、雑巾を絞る、親指を開く動作で、手首の親指側に鋭い痛みが走る。

小指側が痛い:尺側手根伸筋腱鞘炎(しゃくそくしゅこんしんきんけんしょうえん)

手首の小指側にある腱に起きる炎症です。

  • 好発スポーツ: テニス(特にバックハンド)、バドミントン、剣道
  • 特徴: 手首を小指側に曲げたり、捻ったりする動作(テニスのインパクト時など)で痛む。
  • 注意点: 小指側の痛みは、手首の軟骨損傷である「TFCC損傷 (三角線維軟骨複合体損傷)」と症状が非常に似ている。TFCC損傷は難治性であり、専門医による診断が必須です。「ただの腱鞘炎だろう」と自己判断するのは非常に危険。

今すぐできるセルフチェック「フィンケルシュタインテスト」

「病院に行くべきか迷っている」という方は、まずこのテストを行ってみてください。ドケルバン病の有無を簡易的にチェックする方法です。

  1. 痛みのある側の手のひらを内側に向けます。
  2. 親指を内側に入れ、他の4本の指で親指を握り込みます(握りこぶしを作る)。
  3. そのまま、手首を小指側へゆっくりと倒していきます。

判定:この動作で、手首の親指側に「激痛」が走った場合、ドケルバン病の疑いが濃厚です。無理に倒しすぎないように注意してください。実際に当院でもドケルバン病が疑われる場合は必ずこのテストを行っています。

「早期回復」への3ステップ

ここからは、具体的な治療戦略のお話です。私の院では、以下の3ステップで施術計画を立てます。ご自宅でのケアも基本は同じです。

アイシング(急性期・練習直後)

「冷やすと治りが遅くなる」という説も一部にありますが、ズキズキとした自発痛がある急性期や、ハードな練習直後で患部が熱を持っている場合は、炎症を拡大させないためにアイシングが有効です。

  • 方法: 氷のう(なければビニール袋に氷を入れたもの)を患部に当てる。
  • 時間: 15分〜20分。感覚がなくなってきたら外します。
  • 注意: 保冷剤を直接肌に当てない。温度が低すぎて凍傷になるリスクがあり。

前腕のストレッチ (慢性期・回復期)

ここが最も重要なポイントです。「手首が痛いからといって、手首だけを揉んでいませんか?」 腱鞘炎の原因となっている筋肉は、手首ではなく、肘から手首にかけての「前腕」にあります。ここがパンパンに張っているせいで、腱が強く引っ張られ、摩擦が起きているのです。

伸筋群(手の甲側) のストレッチ

テニスのバックハンド等で酷使する筋肉です。

  1. 肘をしっかり伸ばします。
  2. 反対の手で、手の甲を持ちます。
  3. 手首を手のひら側に曲げ、手前に引きます。肘の外側から手首にかけて伸びるのを感じてください。

屈筋群(手のひら側) のストレッチ

ラケットを強く握り込む動作で疲労する筋肉です。

  1. 肘をしっかり伸ばす。
  2. 反対の手で、指先(手のひら側)を持つ。
  3. 手首を反らせるように、手前に引く。
  • コツ: どちらも「痛気持ちいい」強さで、反動をつけずに20秒〜30秒キープします。お風呂上がりに行うとより効果的。

キネシオテーピング(練習時)

練習を休めない場合は、伸縮性のあるテープ(キネシオロジーテープ)を使用して、筋肉の働きをサポートします。ガチガチに固定するホワイトテープとは異なり、動きを妨げずに負担を減らすことができます。

  • 貼り方の基本:手首に一周巻くだけでは不十分です。「痛みのある手首から、肘の外側(または内側)」に向かって、筋肉の走行に沿ってテープを貼ります。筋肉というゴムを、テープというもう一本のゴムで補強してあげるイメージです。最後に手首部分に一周巻いて補強すると安定感が増します。
※画像はイメージです。

接骨院に行くべきタイミングと、プロができること

「セルフケアで様子を見るべきか、プロに頼るべきか」の境界線はどこにあるのでしょうか。以下の症状が一つでも当てはまる場合は、すぐに来院してください。

  • 安静にしていてもズキズキ痛む(夜間痛がある)。
  • 患部が明らかに腫れている、熱感がある。
  • 指先にしびれを感じる。
  • ドアノブを回せないなど、日常生活に支障が出ている。
  • 2週間セルフケアを続けても改善しない。

当院での治療アプローチ

当院では、以下のような専門的なアプローチで早期回復をサポートします。

  1. アライメント調整: 手関節のアライメント不全から引き起こされることもあるのでそれを修正する。
  2. 筋膜リリース・手技療法: 前腕だけでなく、上腕、肩甲骨、首など、全身の連動性をチェックし、患部に負担をかけている「本当の原因(硬さ)」を取り除く。
  3. フォーム・道具指導:「なぜ痛くなったのか」を分析し、グリップの太さの調整や、手首に負担のかからない身体の使い方を指導。

まとめと当院の見解

スポーツによる腱鞘炎は、アスリートにとって非常にメジャーな怪我ですが、同時に「選手生命を脅かす入り口」でもあります。 「たかが腱鞘炎」と甘く見ず、痛みは身体からのSOSだと捉えてください。

腱鞘炎というのは再現性が高い症状の一つです。「再現性が高い」とは何かというと「今までのプレーで今の身体、今の腱鞘炎」になっているということです。一時的に症状が緩和したとしても同じ習慣を繰り返していれば結果は同じ「腱鞘炎」に行き着いてしまいます。なので根本的な改善を図るのであればのその原因となっている習慣、動作を改善していかなければならないのです。

適切なケアとフォーム改善を行えば、「怪我をする前よりもパフォーマンスが上がった」という結果を得ることも珍しくありません。痛みなく全力でラケットを振り抜き、ボールを投げられる喜びを取り戻しましょう。

もし、今あなたが腱鞘炎に悩んでいるのなら当院は全力で回復のサポートをいたします。痛みに耐えながら動き続けるのはもう止めにしませんか?

東海市、知多市、大府市でスポーツでの腱鞘炎にお悩みの方「ARK接骨院」へお任せください。

執筆者 柔道整復師 古田 幸大(Plot Gemini 3)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次