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「走り始めは大丈夫なのに、数キロ走ると膝の外側が痛くなる」 「階段を降りるとき、膝の外側にズキッと痛みが走る」
ランニングや自転車を楽しむ方にとって、この「膝の外側の痛み」は非常に厄介な問題です。これは通称「ランナー膝」、正式には「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」と呼ばれるスポーツ障害です。
「休めば治る」と思って練習を再開し、また痛くなって休む…この繰り返しに陥っている方は少なくありません。
この記事では、多くのランナーやスポーツ選手を治療してきた柔道整復師が、腸脛靭帯炎の原因、自分でできるセルフチェック、そして早期復帰のためのケア方法までを専門的な視点で徹底解説します。

腸脛靭帯炎は、太ももの外側にある大きな靭帯「腸脛靭帯」が、膝の骨「大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)」と擦れ合うことで炎症を起こす症状です。
膝を曲げ伸ばしするとき、腸脛靭帯は膝の外側の骨の上を前後に移動します。 ランニングではこの動作が何千回も繰り返されます。膝を屈伸するたびに、靭帯と骨が車のワイパーのように擦れ合い、摩擦が生じます。この摩擦が限界を超えたとき、炎症として痛みが現れるのです。

同じ距離を走っていても、なる人とならない人がいます。その違いは「構造」と「環境」にあります。
最も単純かつ最大の原因です。月間走行距離が急激に増えたり、休養不足のまま練習を続けたりすることで発症します。特に下り坂の走行は膝への負担が平地の数倍になるため注意が必要です。
以下のような特徴がある方は、構造的に腸脛靭帯が骨と擦れやすくなっています。
特に重要なのが「お尻の筋肉(中殿筋)」の弱さです。 中殿筋が弱いと、着地の瞬間に骨盤を支えきれず、身体が傾きます。するとバランスを取ろうとして膝が内側に入り(ニーイン)、外側の腸脛靭帯が強く引き伸ばされてしまうのです。
整形外科に行く前に、自分で確認できる「グラスピングテスト」という徒手検査法を紹介します。
「痛いから走らない」だけでは、走り出した時にまた痛くなります。原因である「靭帯の硬さ」を取り除く必要があります。
痛みが強い時期は、無理にストレッチをしてはいけません。
痛みが引いてきたら、硬くなった腸脛靭帯とお尻の筋肉を緩めます。
太ももの外側は非常に硬く、手でのマッサージでは深部まで届きにくいです。フォームローラーの上に横向きに乗り、太ももの外側をコロコロと転がすことで、強力に癒着を剥がすことができます(※激痛を伴う場合がありますが効果的です)。
「自分で行うケア、筋膜リリースについて」はこちらで詳しく解説しています。
靴底の外側ばかりすり減っていませんか? クッション性が低下したシューズや、自分の足に合っていないシューズは、着地の衝撃を膝へダイレクトに伝えてしまいます。
道路は水はけを良くするために、端が低くなっています(カマボコ状)。常に道の端(傾斜のある場所)を同じ方向で走っていると、片方の足だけ長さが変わるような状態になり、膝への負担が偏ります。コースを変えたり、平坦な場所を選んだりしましょう。

ここでは、患者様からよくいただく質問にお答えします。
A. 基本的には「痛みが出る距離の手前」で止めるのが鉄則です。例えば5kmで痛くなるなら、3kmで止めてウォーキングに切り替えてください。痛みを我慢して走り続けると、靭帯が変性・肥厚し、手術が必要になることもあります。
A. 違います。オスグッド病は「膝のお皿の下」が痛くなる成長期の症状ですが、腸脛靭帯炎は「膝の外側」が痛くなります。痛む場所が明確に異なります。 (参考:成長期のオスグッド…諦めてない?【オスグッドの教科書】)
A. 効果がないわけではありませんが、当院ではテーピングを強く推奨しています。
サポーターは着脱が簡単ですが、形が決まっているため微調整ができません。一方でテーピングは、「その日の筋肉の張り具合」や「痛みの出る動き」に合わせて、締め付けの強さや貼る方向を自由自在に調整できるからです。
最短でパフォーマンスを戻したいのであれば、その日のコンディションに合わせたオーダーメイドの固定ができるテーピングがベストです。
腸脛靭帯炎は、真面目に練習するランナーほどなりやすい症状です。
「いつか治る」と放置せず、早めのケアで快適なランニングライフを取り戻しましょう。 当院では、痛みを取るだけでなく、ランニングフォームのチェックや、あなたの足に合ったシューズのアドバイスも行っています。
もし、セルフケアでも痛みが引かない場合は、お早めにご相談ください。
【アクセス】
東海市、知多市、大府市で腸脛靭帯炎(ランナー膝)にお悩みの方は「ARK接骨院」へお任せください。
執筆者 柔道整復師 古田 幸大
各症状について、専門的な視点で詳しく解説しています。
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