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スポーツ中に首の前側を強くぶつけたあと、高い声や大きな声が出しにくくなった若年選手から相談を受けました。
本人は受傷後に大学病院を受診し、喉頭や声帯周辺について専門的な評価を受けています。
その後ARK接骨院でも前頸部・喉頭周囲の状態を確認し、外部から操作を行ったところ、その直後にそれまで困難だった発声が明らかに可能になるという変化がみられました。
ただし、この記事は「ARK接骨院が喉頭の脱臼を整復した」「大学病院で治らなかったものを治した」という話ではありません。
何の構造がどのように動いたのか、声帯や喉頭軟骨の位置が実際に変化したのか、今回の操作と発声改善に直接的な因果関係があるのかは、現時点では確認できていません。
今回の記事では、本人の許可を得たうえで、スポーツによる前頸部外傷後に発声障害が持続した一例として経過を共有します。
同時に、コンタクトスポーツで首の前側を強打したあとに起こる「声の変化」を軽視しないための情報として、また同様の症例について医療従事者・トレーナー・研究者の方から情報をいただくためにまとめます。
今回相談を受けたのは、スポーツ中に前頸部へ外力を受けた若年選手です。
受傷後、それまで可能だった発声に変化が生じ、特に高い声や大きな声を出すことが困難になっていました。
単純に「首が痛い」というだけではなく、声そのものの機能が以前と違うという状態です。
受傷後、本人は大学病院(以下A大学病院と表記)を受診しています。
以下については、本人からARK接骨院が聞いた内容であり、当院がCT画像や診断書を直接確認して判断したものではありません。
本人によると、医師から「最先端の受傷」という表現で説明されたとのことでした。
ただし、この言葉に医学的な定義があるのか、医師がどのような意味で使用したのかについては当院では確認できていません。
そのため本記事でも、「本人が医師からそのように説明された」という範囲で扱います。
その後、本人はA大学病院からB大学病院へ紹介されています。
実は、この選手がARK接骨院へ来たのは今回が初めてではありません。
かなり以前、本人は原因が分からないと思われていた足趾の痛みで来院しています。
ところが話を聞き、実際に足とシューズを確認してみると、足の実寸は約27cm。それに対して使用していたシューズは25.5cmでした。
難しい身体の問題を考える以前に、単純に靴がかなり小さいという外的要因がありました。
この時の経験が本人の中に残っていたようで、今回、A大学病院で専門的な評価を受けながらも治療方針がまだ明確ではない中、改めてARK接骨院へ相談がありました。
まず本人から、受傷時の状況、これまでの経過、現在の発声状態、A大学病院でどのような説明を受けたのかを聞きました。
そのうえで、前頸部・喉頭周囲の状態を外部から確認しました。
その際、喉頭部、いわゆる喉仏周辺を外部から把持し、位置関係を確認しながら一定方向へ操作しました。
操作中、私の手には「コク、コク、ポコ」と表現できるような、複数回の触覚的な変化・手応えがありました。
ただし、ここで非常に重要なのは、この感触だけでは何の構造が動いたのかは分からないということです。
何かの軟骨が「はまった」、脱臼が「戻った」と判断できるものではありません。
今回、私が最も興味深いと感じたのはここです。
それまで本人が出せない、あるいは非常に出しにくい状態だった声が、操作直後に少なくとも明らかに出せるようになりました。
これはその場で確認できた機能的な変化です。
一方で、発声が変わったという事実と、解剖学的な構造がどのように変化したのかは別の話です。
今回の変化だけを根拠に「披裂軟骨を整復した」「喉頭の脱臼を戻した」と判断することはできません。
本人が大学病院で受けた説明と今回の経過を合わせると、喉頭軟骨や周囲組織の位置関係が発声障害に何らかの形で関与していた可能性は考えています。
ただし、これはあくまで現段階での仮説です。
ここを曖昧なまま「治った」「整復できた」としてしまうと、今回の症例から得られる情報の価値そのものを落としてしまうと思っています。
今回の症例から、スポーツをしている人や指導者の方に最も知ってほしいのは、前頸部を強打した後に声がおかしくなった場合、それを単なる一時的な違和感として軽視しないということです。
例えば、首の前側へ強い外力を受けたあとに次のような変化が続く場合です。
痛みや腫れが少なくなってきたとしても、声という機能に明らかな変化が残っているのであれば、喉頭や声帯を含めた専門的な評価が必要になる可能性があります。
今回のような症状がある場合に、自分で喉頭部を押したり動かしたりすることを勧める記事でもありません。
まずは耳鼻咽喉科など、喉頭・声帯を評価できる医療機関で確認してもらうことが重要です。
呼吸が苦しい、息をすると異常な音がする、首の腫れが急速に強くなる、血痰が出るなどの場合には、声の問題だけとして様子を見ず、速やかな医療評価が必要です。
スポーツ現場で「首を痛めた」と聞くと、どうしても頸椎や筋肉の問題を最初にイメージしやすいと思います。
しかし今回のように、首の前側へ直接外力が加わった場合には、発声に関係する喉頭・声帯周辺の問題も考える必要があります。
コンタクトスポーツでは、相手の身体、腕、手、ボールなどが前頸部へ入る可能性があります。
受傷直後の痛みだけではなく、「声がいつもと違わないか」という変化も確認する視点が必要なのかもしれません。
今回、ARK接骨院でみられた変化だけでは構造的な評価はできません。
そのため今後、耳鼻咽喉科・大学病院で内視鏡などによる喉頭・声帯の確認をしてもらう予定とのことです。
今後の専門医による評価で、今回起きた変化について少しでも客観的な情報が得られればと思っています。
今回の症例を記事にした一番の目的は、珍しい症例を治療したとアピールすることではありません。
スポーツによる前頸部外傷後に発声障害が続くケースについて、私自身もさらに情報を集めたいと考えています。
同様のスポーツ外傷、喉頭外傷、発声障害の症例をご経験の医師、医療従事者、トレーナーの方、関連する文献や知見をご存じの研究者・関係者の方がいらっしゃいましたら、情報提供をいただければ幸いです。
本例では、スポーツ中の前頸部外傷後に、高い声や大きな声などの発声が困難になっていました。
外部から喉頭周囲を確認しながら操作したところ、複数回の触覚的な変化があり、その直後に発声機能の明らかな変化がみられました。
しかし、どの解剖学的構造がどのように変化したのかは現時点では確認できていません。
そのため、今回の経過をもって「整復した」「治療できた」と断定することはできません。
今回のクライアントは今後、専門医による喉頭・声帯の評価を予定しています。
そして今回の症例を通じて一番伝えたいのは、前頸部を強打したあとに声の変化が残っているのであれば、痛みや腫れだけで判断しないということです。
同様のスポーツ外傷、喉頭外傷、発声障害の症例をご経験の医療従事者・トレーナーの方、関連する文献や知見をご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひ情報提供をいただければと思います。
情報提供はARK接骨院公式LINEよりお願いいたします。
執筆者 柔道整復師 古田 幸大
