スーパーのレジ打ちで腰痛・手首・足が痛いのはなぜ?立ち仕事の負担と対策を解説

スーパーのレジ打ちで身体が痛い理由

「レジに入っていると腰が痛くなる」
「仕事が終わる頃には肩と腕がパンパンになる」
「手首や親指の付け根が痛い」
「立ちっぱなしで足の裏や膝がつらい」

スーパーやドラッグストアなどでレジ業務をしている方から、このような身体の不調について相談を受けることがあります。

レジの仕事を外から見ていると、「立って商品をスキャンしている仕事」に見えるかもしれません。

しかし実際には、商品を取る、身体の前へ引き寄せる、バーコードの位置を探す、手首を返す、スキャナーへ向ける、反対側のカゴへ移す、画面を見る、お客様を見るといった動作を何時間も繰り返しています。

さらにレジによっては、米、飲料、ペットフードなど重い商品を扱い、品出しやカート回収、バックヤードでの作業を兼務することもあります。

つまりスーパーのレジ業務は、一度の大きな力ではなく、小さな負担を高い頻度で何度も積み重ねる仕事だと考えることができます。

今回は、スーパーのレジ業務で腰・首・肩・手首・膝・足などへどのような負担が加わるのか、仕事を続けながら負担を減らすには何を考えればいいのかを、東海市のARK接骨院が解説します。

目次

スーパーのレジ打ちは「立っているだけ」の仕事ではない

レジ業務では、同じ場所に立ちながら上半身ではかなり多くの動作を繰り返しています。

レジ打ちで悪くなる身体と反復動作による疲労
  • 商品を取る
  • バーコードの位置を探す
  • 手首を返して商品をスキャナーへ向ける
  • 商品を反対側のカゴへ移す
  • モニターやお客様へ視線を移す
  • 下にある商品を取るために前屈する
  • 重い商品を持ち上げる

一回一回の動作は大きな運動ではありません。

しかし数時間の勤務で同じ動作が何百回と繰り返されれば、腰、肩、腕、手首、足などへ少しずつ疲労が蓄積していきます。

スーパーのレジ打ちで負担がかかりやすい身体の場所

腰痛

レジ業務で相談が多い場所の一つが腰です。

レジ打ちを行う人によく見られる腰痛

長時間立ったまま身体を支えるだけでなく、少し前にある商品へ手を伸ばす、商品を左右へ移す時に身体をひねる、下にある物を取るために前屈するといった動作を繰り返します。

さらに米や飲料など重量のある商品を扱う場面では、それまで静かに立っていた身体へ急に大きな負荷が加わることもあります。

疲労がたまった勤務後半に重量物を持ち上げた時などには、いわゆるぎっくり腰のような急性腰痛が起こることもあります。

首・肩の痛み

レジ打ちでよく起こる首の痛み

レジでは商品だけを見ているわけではありません。

商品、モニター、カゴ、お客様などへ視線を何度も移しながら、腕は身体の前方で使い続けます。

腕を前へ出した姿勢が続けば、肩周辺の筋肉は腕の重さを支え続けます。レジ台の高さや身体との距離が合っていない場合には、肩が上がった状態や背中が丸まった状態を長時間続けることもあります。

肘・前腕・手首の痛み

レジ業務で特徴的なのが、手首や前腕の反復動作です。

レジ打ちによく起こる腕の痛みと手首の痛み

商品のバーコードは毎回同じ位置にあるわけではありません。商品をつかみ、向きを確認し、手首を返してスキャナーへ向け、そのままカゴへ移します。

これを同じ手で何度も繰り返せば、前腕の筋肉や手首、指を動かす腱へ負担が集中することがあります。

特に親指側の手首が痛む、物をつかむと痛い、商品をひねる時に痛い、仕事終わりになると握力が落ちるといった場合には、単なる「手の疲れ」だけで考えないことが大切です。

膝・ふくらはぎ・足裏の痛み

レジ打ちの人の足の痛み

スーパーのレジは「立ち仕事」ですが、店内を歩き続ける仕事とは少し性質が違います。

狭いスペースの中で長時間立ち、数歩程度の移動を繰り返します。そのため足裏、足関節、膝、ふくらはぎなどが身体を支え続けます。

仕事が終わる頃になると足裏が痛い、ふくらはぎが張る、膝が重い、脚がむくむといった症状を感じる人もいます。

レジ打ちの腰痛は「重い物を持つから」だけではない

レジ打ちの腰痛の原因は重いものだけではない

仕事中の腰痛というと「重い物を持ったから」と考えられがちです。

もちろん重量物は重要な要素ですが、レジではそれだけではありません。

長時間の立位、前方へのリーチ、小さな体幹の回旋、前屈、同じ姿勢の保持、商品の持ち上げ。

これらが一日の中で重なっています。

例えば500gの商品を一度動かしただけなら、身体にとって大きな問題にはならないかもしれません。しかし、それを何百回と繰り返せば話は変わります。

職業による身体への負担を考える時には、一回の負荷の大きさだけではなく、その動作を一日に何回繰り返しているのかを見る必要があります。

「立っているだけ」も身体にとっては仕事

立っているだけでも起こる身体への負担

お客様が途切れている時間は、身体も休んでいるように見えるかもしれません。

しかし立っている間も、足、膝、股関節、体幹などは身体を支え続けています。

歩いている時には脚の筋肉が収縮と弛緩を繰り返しますが、その場に近い位置で長時間立つ仕事では、同じ場所へ荷重が集中しやすくなります。

そのため、待機中に少し足を動かす、左右へ体重を移す、可能であれば短時間腰掛けるといった小さな変化にも意味があります。

「座りレジ」は楽をするためではなく、同じ姿勢を続けないための方法

座りレジでの身体への負担

最近では、スーパーのレジ付近に高めの椅子やハイスツールを設置している店舗を見る機会も増えてきました。

一般的な低い椅子ではなく、座面が高く、立位に近い状態から身体を預けられるタイプです。

このような椅子なら、お客様が来た時には大きな動作をせず立ち上がり、待機中には体重の一部を椅子へ預けることができます。

ここで大切なのは、「立つのが悪い」「座ればすべて解決する」という話ではないことです。

座り続ければ、今度は座位による別の負担が生じます。

立つ、少し腰掛ける、身体を動かす。複数の姿勢を選べる環境を作り、同じ姿勢を何時間も固定しないことが重要です。

同じレジでも身長によって身体への負担は違う

レジ台の高さは同じでも、そこで働く人の身長や腕の長さは同じではありません。

背の高い人にとってレジ台が低ければ、商品を扱うたびに身体を少し前へ倒す姿勢になりやすくなります。

反対に小柄な人では、商品を扱う位置が高ければ肩を持ち上げたり、腕を高い位置で使い続けたりすることがあります。

つまり同じ店舗、同じレジ、同じ勤務時間でも、身体へ加わっている負担は人によって違います。

「同僚は平気だから自分も大丈夫なはず」とは限りません。

セミセルフレジで身体は楽になったのか?

スーパーのセミセルフレジでのレジ打ちの負担

近年では、商品のスキャンは店員が行い、支払いはお客様自身が精算機で行うセミセルフレジも増えています。

会計操作が減るため、従業員の仕事が楽になったようにも見えます。

しかし店舗によっては、一人のお客様の支払いを待つ時間が短くなり、次の商品をすぐにスキャンできるようになります。

その場合、会計操作の負担は減っていても、商品を取る・手首を返す・移動させるというスキャン動作そのものはより連続する可能性があります。

機械化されたから身体への負担がなくなるのではなく、負担の種類が変わっていないかを見ることが大切です。

レジだけでなく品出しをすると身体への負担も変わる

レジ打ちだけではなく継続的な品出しが身体を壊す

スーパーでは、レジだけを担当するとは限りません。

品出し、在庫整理、段ボールの移動、飲料や米の運搬、カート回収などを兼務する場合があります。

レジでは同じ姿勢と反復動作による静的な負担が中心になりますが、品出しではしゃがむ、持ち上げる、運ぶ、立ち上がるといった動的な負担が加わります。

そのため「レジをしていると腰が痛い」と感じていても、実際にはその前に行った品出しや重量物運搬による疲労が積み重なっていることもあります。

冷蔵・冷凍売場を行き来する人は「冷え」も作業条件の一つ

レジ打ちだけではなく品出し時の冷えも問題になる

スーパーでは冷蔵庫や冷凍庫へ商品を取りに行ったり、生鮮食品や冷蔵ショーケース周辺で作業したりすることがあります。

寒い環境では手指の感覚が鈍くなったり、筋肉が動かしにくく感じたりすることがあります。

もちろん「冷えが腱鞘炎の原因」と単純に言えるものではありません。

ただ、手首や指を何度も使う仕事に低温環境が重なっているなら、身体への負担を考える際の作業条件の一つとして確認する必要があります。

忙しさや接客の緊張も身体の状態と無関係ではない

スーパーのレジは身体を使うだけでなく、接客を行う仕事でもあります。

行列ができている、レジ操作を間違えられない、後ろからお客様を待たせている、クレーム対応をしているといった状況では、無意識に肩へ力が入ったり、身体を固めたりする人もいます。

だからといって身体の痛みを「ストレスのせい」で片付けるべきではありません。

立位、反復動作、重量物、作業環境など身体的な要素を確認したうえで、忙しさや緊張が身体の力みを強くしていないかも含めて考える必要があります。

ARK接骨院では「どこが痛いか」だけでなく、レジで何をしているかを見る

同じ「腰痛」でも、原因となっている負担が同じとは限りません。

  • 商品を取る時に痛い
  • カゴへ移す時に痛い
  • 立っているだけで徐々に痛くなる
  • 下の商品を取る時に痛い
  • 品出しをした後から痛くなる

これだけでも身体に加わっている負荷は違います。

肩が痛い場合も、腕を上げた時なのか、商品へ手を伸ばした時なのか、重い商品を持った時なのかを確認します。

手首なら、握る、ひねる、親指を動かす、商品を支えるなど、どの動作で症状が出ているのかを見ます。

痛い場所だけではなく、その場所を仕事中にどう使っているのか。

職業による身体の不調を考える時には、ここまで確認することが重要だとARK接骨院では考えています。

仕事を休むか、痛みを我慢して続けるかの二択にしない

身体が痛くなった時、「仕事を休んでください」とだけ言われても、現実には簡単に休めない人も多いと思います。

一方で、痛みを我慢して同じ作業を続け、症状を悪化させることも避けたいところです。

そこで「仕事ができるか、できないか」だけではなく、現在どの作業ならできて、何を変えれば負担を減らせるのかを考えます。

  • 長時間の連続したレジを短くできないか
  • 待機時間だけでも椅子を使えないか
  • レジと別の作業を途中で組み合わせられないか
  • 商品を身体に近い位置で扱えないか
  • 左右への体重移動を増やせないか
  • 重い商品の扱い方を変えられないか

仕事そのものをなくすのではなく、同じ場所へ負担が集中し続ける条件を変えることも対策の一つです。

スーパーのレジ業務で今日からできる身体への負担軽減

  • 同じ姿勢を長時間固定しない
  • 商品を身体から遠い位置で扱わない
  • 重い商品を手首だけで回転させない
  • 待機時間には足踏みや左右への体重移動を行う
  • 可能なら椅子やハイスツールを使う
  • クッション性や安定性を考えて仕事用の靴を選ぶ
  • 疲労軽減マットなど職場環境の変更も検討する

もちろん、店舗の設備や業務内容によって自分だけでは変更できないものもあります。

だからこそ、自分の身体だけを責めるのではなく、作業台の高さ、床、椅子、勤務時間、作業の組み合わせなど仕事の環境そのものも確認してみてください。

痛みを我慢して働き続けない方がいい症状

仕事による疲労で一時的に身体が重いことと、医療機関で確認した方がいい症状は分けて考える必要があります。

  • 手や腕のしびれが強くなっている
  • 握力が落ち、商品を落とすようになった
  • 安静時や夜間にも強く痛む
  • 腰痛とともに脚へ強いしびれや力の入りにくさがある
  • 膝や手首が大きく腫れている
  • 歩行そのものが難しい
  • 転倒や重量物を持った直後から急激に強い痛みが出た

このような場合には無理に仕事を続けず、必要に応じて医療機関で画像評価などを受け、原因を確認することが大切です。

スーパーのレジ業務と身体の痛みについてよくある質問

スーパーのレジ打ちで腰痛になることはありますか?

あります。レジ業務では長時間立ち続けるだけでなく、商品を取るために身体を前へ伸ばす、カゴへ移す際に身体をひねる、下の商品を取るために前屈するといった動作を何度も繰り返します。重い物を一度持つことだけではなく、小さな負担が長時間・高頻度で積み重なることで腰痛につながる場合があります。

レジ打ちで手首の痛みや腱鞘炎が起こることはありますか?

商品をつかむ、バーコードの向きを探す、手首を返す、スキャナーへ向ける、カゴへ移すといった動作を繰り返すため、手首や前腕へ負担が集中することがあります。特に同じ手ばかりを使う、重い商品を手首だけで回す、親指側に痛みが出るといった場合には注意が必要です。痛みや腫れ、握りにくさが続く場合は単なる疲労として我慢しないことが大切です。

レジの立ち仕事は、座れば腰や足の負担がなくなりますか?

座ればすべて解決するわけではありません。大切なのは同じ姿勢を長時間続けないことです。最近では高めの椅子やレジ用スツールを使い、立位と座位の中間で身体を休ませる店舗もあります。立つ・座るを切り替えたり、待機中だけ腰掛けたりすることで、足裏・膝・腰へ同じ負荷が集中し続けるのを減らせる可能性があります。

まとめ|スーパーのレジだから身体が痛くても仕方ない、で終わらせない

スーパーのレジは、ただ立ってバーコードを読み取る仕事ではありません。

長時間の立位、前方へのリーチ、手首の反復、体幹の回旋、商品の重量、レジ台の高さ、勤務時間、品出しとの兼務など、さまざまな負担が重なっています。

そのため「腰が痛いから腰だけ」「手首が痛いから手首だけ」を見るのではなく、その身体が一日の仕事の中で何を、どの姿勢で、何回繰り返しているのかまで確認することが大切です。

ARK接骨院では、仕事を辞めるか、すべて休むか、痛みを我慢するかの三択ではなく、現在できる仕事と負担の大きい動作を整理しながら、身体への負担を一か所へ集中させない方法を考えます。

毎日行う仕事だからこそ、「仕事だから仕方ない」と我慢するのではなく、身体と仕事の両方を見直すことが、長く働き続けるための一つの方法だと思います。

執筆者 柔道整復師 古田 幸大

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