| 営業時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00~23:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
\ お電話はこちらから /
080-3286-0255
\ 24時間ご相談受付中 /

愛知県東海市、大府市、知多市周辺で新体操に取り組む選手、保護者・指導者の皆様、こんにちは。ARK接骨院 代表の古田です。
新体操の選手をみていると、怪我そのものとは別に、この競技ならではの難しさを感じることがあります。新体操はサッカーやバスケットボールなどと比べると競技者人口が限られ、地域や年代によってはチーム数や出場枠も多くありません。そのため、チーム内での競争の中で「ここで休んだらポジションを失うかもしれない」「人数が限られているから今は休めない」「やるしかない」と強く考えながら来院する選手が実際にいます。
当院でも、痛みがあって本来なら一度負荷を落とした方がよい状態でも、「大会が近い」「代わりの選手がいない」「今休むわけにはいかない」と相談されることがあります。こうした背景を見ると、単に選手本人が無理をしたいのではなく、競技環境そのものが休みにくさを生んでいるケースもあると感じます。
だからこそ新体操の怪我では、「痛いから全部休む」「痛みが引いたからすぐ戻る」という二択ではなく、治癒が必要な組織は守りながら、続けられる練習と一度止めるべき動作を分けて考えることが重要です。

新体操は、リボン・フープ・ボール・クラブなどの手具を扱いながら、ジャンプ、ターン、バランス、高い柔軟性を組み合わせて演技する競技です。優雅で美しい競技ですが、身体に求められている能力は非常に高く、スポーツ医学の視点では高い可動域、ジャンプと着地、反復練習、左右非対称になりやすい動作などが怪我につながる要因になります。
足首を捻るような一度のアクシデントだけでなく、「最近腰を反ると痛い」「ジャンプを続けると膝が痛くなる」「足の甲の痛みが何週間も消えない」といった、少しずつ負荷が積み重なって起こるオーバーユース障害にも注意が必要です。
この記事では、新体操で起こりやすい怪我とその理由、成長期に注意したい障害、練習量との関係、そして競技復帰までを柔道整復師の視点から解説します。
新体操では高い柔軟性が競技力の大きな武器になります。しかし、身体が柔らかいことと、怪我をしにくいことは同じではありません。
例えば、脚を大きく開くことができても、その位置で骨盤や体幹を安定させる筋力が不足していれば、腰や股関節など別の部位が動きを補うことがあります。大きく反れることが問題なのではなく、その大きな可動域を自分の筋力でコントロールできるかが重要です。

また、新体操は特定の脚でバランスを取り、得意な方向へターンし、同じジャンプや演技要素を繰り返すことが多い競技です。左右を完全に同じ条件で使うわけではないため、競技を続ける中で筋力や可動域に左右差が生まれることがあります。
左右差そのものが悪いわけではありません。しかし、股関節で出したい動きを腰で代償したり、足首で吸収したい着地衝撃を膝で受け続けたりすると、特定の部位へ負担が集中します。
そのため新体操では、「もっと柔らかくする」ことだけを目標にするのではなく、柔軟性・筋力・バランス・着地能力をセットで考える必要があります。
新体操では全身を使うため怪我の部位もさまざまですが、競技特性から特に注意したいのが腰、足首・足部、膝、太もも周辺です。
新体操の怪我を考えるうえで非常に重要なのが腰部です。身体を大きく反る動作、脚を高く上げながら体幹を伸展する動作、ターンに伴う回旋など、新体操では腰椎に大きな可動域が繰り返し要求されます。
エリート新体操選手を対象とした研究でも腰痛や腰部障害が報告されており、筋肉の痛みだけでなく、骨へのストレスや腰椎分離症などが確認されています。対象人数の少ない研究ではありますが、新体操において腰部が重要な傷害部位であることを示す資料の一つです。参考:Low back pain in elite rhythmic gymnasts(PubMed)
特に成長期で注意したいのが腰椎分離症です。腰を反る、捻る、ジャンプするといった動作が繰り返されることで、腰椎後方の骨にストレスが蓄積して起こります。レントゲン画像では以下のイラストのように写ることがあります。

初期から強烈な痛みが出るとは限りません。「普段は平気だけれど反ると痛い」「練習中は動けるが終わった後に痛む」「少し休むと良くなるが練習を再開すると再び痛む」という経過をとることもあります。
新体操では高い柔軟性が日常的に求められるため、「このくらい反れるのは普通」と考えやすい部分があります。大切なのは、反る動作そのものを避け続けることではなく、どの動作で痛みが出るのか、股関節や胸椎の動きを腰が代償していないか、体幹でその可動域を制御できているかを確認することです。
腰椎分離症については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
腰椎分離症・すべり症について詳しく見る↗
スポーツによる腰痛について詳しく見る↗
ジャンプ、ターン、ルルベなどが多い新体操では、足首にも大きな負担がかかります。急性外傷として代表的なのが足関節捻挫です。
ジャンプの着地でバランスを崩した時、ターンから次の動作へ移る時、足部の位置がずれた状態で荷重した時などに足首を捻ることがあります。

捻挫は靱帯損傷の一つですが、重要なのは「何日休んだか」だけではありません。腫れや痛みを確認したうえで、足首の可動域、筋力、片脚支持、バランス、ジャンプ、着地へと機能を戻していきます。
新体操の場合、歩けるようになることは復帰のスタート地点にすぎません。片脚で高い位置を保つ、ジャンプから正確に着地する、そのままターンや次の動作につなげるところまで戻す必要があります。
新体操では、一度の着地で骨折する外傷だけではなく、繰り返しの負荷による疲労骨折にも注意が必要です。
ジャンプの踏み切りと着地、ルルベ、片脚支持などを何度も繰り返すことで、骨に加わる小さなダメージが身体の修復能力を上回ることがあります。足部では中足骨や舟状骨などに疲労骨折が起こることがあります。

特徴的なのは、「何月何日のこの瞬間に怪我をした」と言えないことが多い点です。最初は練習後だけ痛かったものが、徐々にジャンプ中にも痛み、やがて日常動作でも気になるようになることがあります。
疲労骨折では、負荷を完全に0にするか100のまま続けるかではなく、問題となっている骨への負荷を避けながら、患部以外の筋力や体幹、手具操作などをどこまで維持できるかを考えることも競技復帰では重要です。
ジャンプと着地を繰り返す新体操では、膝への負荷も大きくなります。代表的なオーバーユース障害の一つがジャンパー膝(膝蓋腱障害)です。
膝のお皿の下付近に痛みが出やすく、ジャンプ、踏み切り、着地などで症状が強くなります。初期ではウォーミングアップ後に一時的に痛みが軽くなることもあります。
ここで重要なのは、痛みがあるからジャンプをすべて禁止するという考え方だけではありません。どの高さ、どの回数、どの着地方法で症状が出るのかを確認し、許容できる負荷を探しながら段階的に競技動作へ近づけていく考え方があります。

| オスグッド病 (左側) |
ジャンパー膝 (右側) |
|---|---|
|
▼ 痛む場所 ▼
|
▼ 痛む場所 ▼
|
成長期ではオスグッド・シュラッター病にも注意が必要です。身体が急激に成長する時期に、ジャンプや踏み切りを繰り返すことで膝の前面に負担が集中します。
膝が痛いからといって、膝だけに原因があるとは限りません。足首の可動域、股関節の筋力、体幹の制御、着地の位置、疲労など、複数の要素が関係します。
例えば着地時に膝が内側へ入る動作があったとしても、「膝が内側へ入ることだけが原因」と単純化するのではなく、なぜその動きになっているのかを選手ごとに確認することが重要です。
ジャンパー膝について詳しく見る↗
オスグッド病について詳しく見る↗
スプリット、キック、リープなどで脚を大きく開く新体操では、ハムストリングスや内転筋などに強い伸張負荷が加わります。

新体操選手は日頃からストレッチを行うことが多いため、「硬くなったから痛い」「もっと伸ばせば良くなる」と考えやすいのですが、筋損傷が起きている状態ではストレッチ量を増やすことが最善とは限りません。
どの角度までなら力を出せるか、どの動作で症状が出るかを確認しながら、負荷を調整していきます。柔軟性を求められる競技だからこそ、単純に「伸びるかどうか」だけではなく、伸ばされた位置でも力を発揮できるかという視点が重要になります。
新体操特有の怪我として、リボンやボール、フープ、クラブなどの手具が身体へ当たることによる打撲もあります。また、練習環境では他の選手が投げた手具が落下してくることもあります。

打撲も、受傷した部位や腫れ、痛み、競技動作への影響を確認しながら、可能な運動を残して復帰へつなげます。
新体操の怪我で難しいのが、「いつ怪我をしたのか分からない痛み」です。
足首の捻挫なら受傷した瞬間が分かりやすいですが、腰痛、ジャンパー膝、疲労骨折などは数週間から数か月かけて徐々に悪化することがあります。

「最近少し腰が張る」「ジャンプすると膝が気になる」「足の甲の違和感が消えない」。こうした小さな変化がある段階で負荷を調整できれば、すべての練習を止めずに済む可能性もあります。逆に、我慢して同じ負荷をかけ続け、状態が悪化してから初めて対応すると、結果として長く競技から離れなければならなくなることがあります。
2025年に発表された新体操選手を対象とした研究では、膝・腰・股関節などを対象とした傷害予防プログラムを実施しても、オーバーユース障害を明確に減少させる結果にはなりませんでした。研究では、エクササイズだけでなく、練習負荷や競技環境そのものを含めた対策の必要性が示されています。参考:Efficacy of a Rhythmic Gymnastics-Specific Injury Prevention Program(PubMed)
つまり、「このストレッチをやれば怪我を防げる」「この筋肉を鍛えれば大丈夫」という単純なものではありません。今の身体がどの程度の練習負荷に耐えられているのかを見ることが重要です。
新体操は女性選手が中心となる競技です。そのため、ジャンプや着地、柔軟性、反復練習といった競技動作だけでなく、女性アスリート特有の身体の変化も怪我を考えるうえで無視できません。

特に成長期から若年期では、練習量が多い一方で食事量が不足したり、体重管理を意識しすぎたりすると、身体の回復に必要なエネルギーが足りなくなることがあります。また、月経の乱れや無月経がみられる場合には、単に「ハードに練習しているから」と考えるのではなく、身体からのサインとして捉えることが大切です。
こうした状態が続くと、疲労から十分に回復できないだけでなく、骨の健康にも影響し、疲労骨折などのリスクにつながることがあります。新体操ではジャンプや着地、ルルベなどによって足部や下肢へ繰り返し負荷が加わるため、「どれだけ練習したか」だけでなく、「その負荷から身体が回復できているか」まで見る必要があります。
女性アスリート特有の身体の特徴や月経、疲労骨折、トレーニングとの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
女性アスリートに怪我が多い理由と身体の特徴について詳しく見る↗
ARK接骨院では可能な限り競技を続ける方法を考えますが、何でも動かせばよいわけではありません。次のような場合は、まず損傷の程度を確認し、必要に応じて医療機関で画像検査や診察を受けることを優先します。
こうした状態で無理をしないことは、「休ませるため」ではありません。早い段階で状態を明確にし、どこまでなら安全に残せるのかを決めるためです。結果的に長期離脱を避けるためにも、止めるべき時だけは一度立ち止まる必要があります。
新体操選手が腰を痛めて来院した場合、腰だけを確認して終わるとは限りません。新体操は全身の動きが連動する競技だからです。
など、痛みが出ている部分だけではなく、競技動作の中でどこへ負担が集中しているのかを確認していきます。
そのうえで、「大会に出たい」「今は抜けられない」という選手の希望も踏まえながら、医学的に守る必要がある部分と、継続できる部分を分けて考えます。
ARK接骨院では、怪我をしたからといって最初から「新体操をすべて休みましょう」とは考えていません。まず確認するのは、何を止める必要があり、何なら続けられるのかです。

疲労骨折や腰椎分離症など、特定の負荷を避けなければならない怪我であっても、身体全体を休ませることと同じではありません。患部を守ることと、競技能力を維持することを分けて考えます。
休ませないのではなく、「必要以上に休ませない」これが当院の基本的な考え方です。
スポーツ外傷後のPEACE & LOVEについて詳しく見る↗
日常生活で痛みがなくなったことと、新体操へ戻れることは同じではありません。しかし、競技復帰は怪我が治ってから初めてスタートするものでもありません。
治療中から安全に残せる筋力、柔軟性、体幹機能、手具操作などを維持しておくことで、患部が競技負荷に耐えられる段階になった時に、できるだけスムーズに新体操へ戻れるよう準備していきます。
普通に歩ける人でも、高いジャンプから片脚で着地し、そのままターンや次の動作へ移ることができるとは限りません。新体操への復帰では、競技で必要になる能力まで段階的に確認します。
例えば足首の怪我であれば、歩行、片脚立ち、スクワット、小さなジャンプ、連続ジャンプ、片脚着地、ターン、リープ、演技の一部分、通し練習というように負荷を上げていきます。ただし、前の段階を完全に卒業するまで次へ進めないという意味ではありません。状態をみながら重ね合わせ、競技に必要な能力をできるだけ落とさず戻していきます。
腰や膝についても同じです。「痛みが0になるまで何もしない」のではなく、症状と組織の状態を確認しながら、その時点でできることを増やしていきます。
柔軟性が高いことは新体操の大きな武器ですが、それだけで怪我を防げるわけではありません。大きな可動域を自分の筋力でコントロールできることが重要です。柔軟性だけを高め、関節を支える能力が追いつかなければ、腰や膝などに負担が集中することがあります。
痛みがあるからといって、新体操をすべて止める必要があるとは限りません。どの反り方や動作で痛みが出るのかを確認し、その動作の負荷を調整しながら、手具操作や患部へ負担をかけにくいトレーニングなど残せる練習を考えます。ただし、成長期で反る動作による痛みが繰り返す場合には腰椎分離症なども考えるため、一度状態を確認することが大切です。
原因によります。筋肉や腱の張りだけでなく、足部では疲労骨折なども起こります。ストレッチを増やす前に、どこに痛みがあり、どの動作で症状が出るのかを確認し、その状態に合わせて練習負荷を調整することが重要です。
痛みがなくなることは一つの目安ですが、新体操では片脚支持、ジャンプ、着地、ターン、バランスなど高い身体能力が必要です。一方で、痛みが完全になくなるまで何もしないという意味でもありません。治療中から安全に行える練習を残し、競技動作を段階的に増やしながら復帰を目指します。
新体操は、高い柔軟性、筋力、バランス、ジャンプ力、身体操作能力、手具のコントロールを同時に要求される非常に高度なスポーツです。
そのため怪我も、単純に「腰が痛いから腰だけ」「膝が痛いから膝だけ」と考えることはできません。
大きく腰を反る動作、繰り返すジャンプと着地、左右非対称になりやすい競技動作、長時間の反復練習、成長期の身体変化など、複数の要素が重なって怪我につながります。
新体操に本当に必要なのは、ただ柔らかい身体ではありません。大きな可動域を自分の力でコントロールできる身体、繰り返す着地に耐えられる身体、そして練習の負荷から回復できる身体です。
痛みがあるからといって、すべてを止める必要があるとは限りません。一方で、痛みを我慢してすべての練習を続けることがよいとも限りません。早い段階で身体の状態を確認し、「続けられる練習」と「一度止めるべき動作」を分けること。それが競技能力をできるだけ落とさず、長く新体操を続けるための土台になります。
「大会に出たい」「今は抜けられない」という選手の気持ちも含めて、何を守り、何を残せるのかを一緒に考えていきます。新体操による腰痛、足首の捻挫、膝の痛み、肉離れなどでお困りの方はご相談ください。
執筆者 柔道整復師 古田 幸大
