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「ランニングを始めてから膝の外側が痛い」
「マラソンの練習量を増やしたら、すねが痛くなってきた」
「走った翌朝、踵や足裏の痛みが強い」
ランニングは、特別な施設や多くの道具がなくても始めやすく、健康目的のジョギングからハーフマラソン・フルマラソンまで、年齢を問わず長く楽しめるスポーツです。
その一方で、走るという同じ動作を何千回、何万回と繰り返すため、膝・すね・足裏・アキレス腱などへ少しずつ負荷が蓄積し、痛みやスポーツ障害につながることがあります。
特に「最近ランニングを始めた」「月間走行距離を増やした」「大会へ向けて練習量を増やした」「久しぶりにマラソン練習を再開した」といったタイミングでは、身体が新しい負荷へ十分に適応する前に痛みが出ることがあります。
ARK接骨院でも、健康目的でランニングを始めた方、市民ランナー、ハーフマラソン・フルマラソンへ挑戦する方、部活動で長距離を走る学生など、さまざまな方から相談を受けてきました。
今回は当院での施術経験やこれまでの症例、ランニングの競技特性をもとにした「当院調べ」として、ランニング・マラソンで多い怪我やスポーツ障害をランキング形式で紹介します。
ランニングで起こる怪我全般について知りたい方は、ランニングで起こりやすい怪我・スポーツ障害の総合解説もあわせてご覧ください。

| 順位 | 怪我・スポーツ障害 | 主な痛みの場所 |
|---|---|---|
| 1位 | ランナー膝 | 膝の外側 |
| 2位 | シンスプリント・疲労骨折 | すね・足部 |
| 3位 | 足底筋膜炎 | 踵・土踏まず |
今回TOP3に挙げた症状はいずれも、ランニングやマラソンのように同じ動作を長時間繰り返す競技で起こりやすいものです。
転倒や衝突など一度の強い外力で発生する怪我とは異なり、1回では問題にならない小さな負荷が何度も加わり、身体の回復や適応が追いつかなくなった時に症状が表面化するケースが多くみられます。
ランニングやマラソンをしている方から特に多く相談を受ける症状の一つが、いわゆるランナー膝です。
「ランナー膝」という言葉はランニングに伴う膝の痛みを広く指して使われることもありますが、その代表的なものとして腸脛靭帯炎があります。

腸脛靭帯炎では、走っている途中から膝の外側に痛みが出ることが多く、「走り始めは問題ないのに数kmすると痛む」「下り坂で膝の外側が痛くなる」「階段を下りる時に痛い」といった症状がみられます。
ランニングを始めたばかりの頃よりも、「最近走れるようになってきた」「10km以上走るようになった」「マラソンへ向けて距離を増やした」という時期に症状が出ることがあります。
走行距離の急増、休養不足、坂道の多いコース、ランニングフォーム、股関節周囲の機能、筋力や柔軟性など、複数の要素が重なることで膝外側への負担が大きくなります。
そのため「腸脛靭帯が硬いから」という一つの原因だけで考えるのではなく、いつから、どの距離で、どの速度になると痛むのかを確認することが重要です。
ランナー膝について詳しくは、ランナー膝(腸脛靭帯炎)について詳しく解説した記事をご覧ください。
ランナー膝では、日常生活ではほとんど問題がないにもかかわらず、一定距離を走ると症状が出ることがあります。

例えば5km付近から毎回膝が痛くなるのであれば、毎回5kmまで我慢して走るのではなく、症状が強くなる前に距離を調整する、ランニングとウォーキングを組み合わせる、走る頻度を見直すなどの方法があります。
「走れるか走れないか」だけではなく、現在どこまでなら症状を悪化させずに走れるのかを考えることがランニング復帰では重要です。
2位はシンスプリントと疲労骨折です。ランニングやマラソンでは、すねや足部にも繰り返し着地の負荷が加わります。

特に走行距離が急激に増えた時期、部活動で走り込みが増えた時、大会前で練習回数が増えた時などには注意が必要です。
シンスプリントは内側脛骨ストレス症候群(MTSS)とも呼ばれ、すねの内側に沿って痛みが出るスポーツ障害です。
初期には「走り始めだけ痛い」「ウォーミングアップすると楽になる」と感じることがあります。しかし負荷が大きい状態が続くと、ランニング中を通して痛むようになったり、日常生活や歩行でも症状を感じたりすることがあります。
シンスプリントについては、シンスプリントの原因・症状・対策を解説した専門ページも参考にしてください。
ランニングやマラソンを続けるうえで特に注意したいのが疲労骨折です。
疲労骨折は、転倒や衝突のような一度の強い力で骨が折れるのではなく、走る・跳ぶといった動作による小さな負荷が繰り返し骨へ加わり、骨の修復が追いつかなくなることで発生します。

すねの広い範囲が痛むというより、狭い範囲に強い圧痛がある、歩行でも痛い、走らなくても痛みが続くといった場合には、疲労骨折も考える必要があります。
疲労骨折は脛骨だけでなく、ランナーでは中足骨など足部にも起こることがあります。詳しくは疲労骨折の原因・症状・競技復帰についての解説をご覧ください。
疲労骨折が疑われる場合には「大会が近いから」と無理に走り続けるのではなく、必要に応じて医療機関で画像評価を行い、骨の状態を確認することが大切です。
3位は足底筋膜炎(足底腱膜炎)です。ランニングやマラソンをしていて「踵が痛い」「土踏まずが痛い」という場合に考えられる代表的な症状の一つです。

足底筋膜は踵から足趾方向へ広がる組織で、足のアーチを支えながら、歩行やランニング時に足部へ加わる力を受けています。
ランニングでは一歩ごとに足が地面へ接地します。5km、10km、20kmと距離が伸びれば、それだけ足底へ繰り返される負荷も増えていきます。
特に、久しぶりにランニングを再開した、急に週間走行距離を増やした、マラソン練習でロング走を始めた、シューズを変更した、硬い路面を走る機会が増えたといった変化があった時には注意が必要です。
足底筋膜炎では、踵の内側から土踏まず周辺に痛みが出ることがあります。
ランニング中だけではなく、朝起きて最初の数歩や、長時間座ったあとに歩き始めた時に痛みを感じる人もいます。
ARK接骨院では、実際にランニングをきっかけとして踵や足裏へ痛みが出た方の相談も受けています。症例については、知多市のランナーに起きた足底筋膜炎の施術事例、ランニングによる足裏・踵の痛みについての施術事例でも紹介しています。
ただし「足裏が痛い=必ず足底筋膜炎」というわけではありません。足部には疲労骨折など別の障害も起こるため、痛む場所や症状の経過を確認することが重要です。
今回TOP3には入れていませんが、ランニングやマラソンでは膝・すね・足裏以外にもさまざまな部位に症状が出ます。
ランニングでは「ある日突然大怪我をした」というより、最初は少し気になる程度だった痛みが、徐々に強くなっていくケースも少なくありません。
いつから痛いのか、何km付近から症状が出るのか、ペースを上げると変化するのか、走った翌朝はどうなのかなどを把握しておくと、負荷を考えるうえで重要な情報になります。
ランナー膝、シンスプリント、足底筋膜炎、アキレス腱障害などでは「走りすぎですね」と説明されることがあります。

確かに走行距離や練習頻度は重要な要素ですが、単純に「距離が多い=怪我をする」というわけではありません。
こうした同じ部位への反復負荷によって起こる障害をオーバーユース(使いすぎ)によるスポーツ障害と呼びます。
一回では問題にならない負荷でも、十分に回復する前に同じ組織へ何度も負荷が加われば、筋肉・腱・骨などへの負担が蓄積していきます。
オーバーユースは「膝が痛い」「すねが痛い」「アキレス腱が痛い」といった、特定の組織へ繰り返し負荷が加わることで起こる局所的な問題を考える際に使われます。
一方、オーバーワークやオーバートレーニングでは、単一の部位だけではなく、慢性的な疲労、睡眠の質の低下、パフォーマンス低下など、身体全体の回復が追いついていない状態も問題になります。
「膝や足は痛くないけれど最近ずっと身体が重い」「いつものランニングペースなのに極端にきつい」「休んでも疲れが抜けない」という場合には、局所的な怪我だけではなく、トレーニング量や休養、睡眠なども含めて考える必要があります。
オーバーユースとオーバーワークについて詳しくは、オーバーユース・オーバーワークの違いとスポーツ障害について解説した記事をご覧ください。
例えば、普段から月間200kmを走っている人と、普段ほとんど走っていない人が突然同じ距離を走るのでは、身体にとっての意味が違います。
重要なのは絶対的な走行距離だけではなく、現在の身体がその負荷へどの程度適応しているのかという視点です。
ランニングで痛みが出た時に「走るか、完全に休むか」の二択で考えてしまう方は少なくありません。
しかし実際には、怪我の種類、組織の状態、痛みの程度によって対応は変わります。
痛みが強いまま以前と同じ距離・同じ速度で走り続けることはおすすめできません。一方で、すべての症状で長期間運動を完全に止める必要があるとも限りません。
例えばランナー膝で一定距離から症状が出る場合には、痛みが出ない距離まで短くする、ランニングとウォーキングを組み合わせる、エアロバイクなど別の有酸素運動へ一部変更するといった方法を検討できます。

アキレス腱の痛みについても、症状の程度や運動後・翌朝の反応を確認しながら負荷を調整します。詳しくはアキレス腱が痛い時に走っていいのかを解説した記事も参考にしてください。
ARK接骨院が考える「休ませない」とは、怪我を無視して走り続けるという意味ではありません。
守る必要がある組織は守りながら、必要以上に休ませず、続けられる運動や身体機能を維持するという考え方です。
一方で、疲労骨折が疑われる、歩行でも強く痛む、著しい腫れがある、外傷後に体重をかけられない、安静時にも強い痛みが続くといった場合には、ランニング継続よりも医療機関での評価を優先します。
痛みが軽くなったからといって、すぐに怪我をする前と同じランニング距離・同じペースへ戻してしまうと、症状が再び出ることがあります。
ランニング復帰では、単純に「走れるかどうか」ではなく「どの距離を、どの速度で走ると、身体がどう反応するのか」を段階的に確認していくことが大切です。
特にマラソンを目標にしている場合、数km走れたからといってすぐに20km、30kmのロング走へ戻すのではなく、身体の反応を確認しながら走行距離を伸ばしていきます。
痛みそのものだけではなく、こうした変化を早い段階で把握できれば、走行距離や練習内容を調整しながら悪化を防げる場合があります。
ARK接骨院での施術経験やランニングの競技特性をもとにした当院調べでは、1位をランナー膝、2位をシンスプリント・疲労骨折、3位を足底筋膜炎としています。このほかアキレス腱障害などもランニングをしている方から相談を受けることがあります。
ランニング中の膝外側痛では、腸脛靭帯炎は代表的な原因の一つです。ただし膝外側の痛みにはほかの原因もあるため、痛む場所、発症した状況、走行距離、腫れ、日常生活での症状などを確認する必要があります。
シンスプリントはランニングですねの内側に痛みが出る代表的な障害の一つです。ただし疲労骨折でも似た場所に症状が出ることがあります。限局した強い圧痛や歩行時の痛みなどがある場合には、疲労骨折も考えて評価する必要があります。
今回はARK接骨院での施術経験やランニングの競技特性をもとに、ランニング・マラソンで多い怪我やスポーツ障害をランキング形式で紹介しました。
このほかにもアキレス腱障害、肉離れ、ジャンパー膝、足関節捻挫など、ランニングではさまざまな怪我や痛みが起こります。
また、局所に繰り返し負荷が加わるオーバーユースだけでなく、マラソン練習や走り込みによって疲労が全身に蓄積するオーバーワークにも注意が必要です。
「大会が近いから走り続けたい」「休むと体力が落ちそうで不安」という場合も、すべて休むか、痛みを我慢して以前と同じ練習を続けるかの二択ではありません。
現在どこまでなら走れるのか、何を減らし、何を維持できるのかを整理しながら、身体の状態に合わせて段階的なランニング復帰を目指していきましょう。
執筆者 柔道整復師 古田幸大
