不動産業に多い身体の不調とは?腰痛・肩こり・運転や内見で起こる負担を解説

不動産業に多い体の痛みと負担

不動産業と聞くと、パソコンで物件情報を確認したり、契約書を作成したり、お客様と話したりする「デスクワーク中心の仕事」をイメージする人も多いと思います。
しかし実際の不動産業務は、それだけではありません。
物件情報を入力したあと車で移動し、内見で階段を上り下りし、室内や外観の写真を撮影する。次の物件へ移動するため再び車に乗り、会社へ戻ればまたパソコン作業。管理業務であれば、空室や建物周辺を巡回することもあります。

つまり不動産業は、単純な「座り仕事」でも「立ち仕事」でもありません。
座る、運転する、歩く、立つ、階段を上る、しゃがむといった動作を、一日の中で何度も切り替える仕事です。

今回は、不動産営業や物件管理などで起こりやすい身体の不調と、仕事中に身体へどのような負担がかかっているのかを、東海市のARK接骨院が整理していきます。

目次

不動産業で身体に負担がかかりやすい理由

不動産業で身体の不調を考える時、「デスクワークだから運動不足」という一言だけでは少し足りません。
デスクワーク、車の運転、内見、写真撮影、物件巡回など、それぞれ性質の違う仕事を繰り返すところに特徴があります。

契約書作成・物件入力などのデスクワーク

デスクワークでの体の負担と対策

物件情報の入力、メール対応、契約書類の作成、重要事項説明など、不動産業ではパソコンの前で長時間作業する場面が多くあります。

同じ姿勢が長く続けば、首や肩、背中、腰などに張りや重さを感じることがあります。特に肩こりについては、すでにデスクワークによる肩こりの原因や身体の動きについて別の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

内見・物件巡回で増える長時間の運転

不動産営業で特徴的なのが、車での移動です。

不動産内見の負担と痛み

会社で座って仕事をしたあと、お客様を乗せて物件へ移動する。内見が終われば次の物件へ移動し、帰社後は再びデスクワーク。このように考えると、仕事中に「座っている時間」が想像以上に長い人もいます。

一方で、車を降りればすぐに歩いたり、階段を上ったり、しゃがんだりする必要があります。

私はこの「長く座ったあと、すぐに動く」という切り替えも、不動産業の身体を考えるうえで重要だと思っています。

内見・撮影・物件確認では思った以上に身体を使う

内見では、ただ部屋の中を歩くだけではありません。

  • 階段を上り下りする
  • 設備を見るためにしゃがむ
  • 収納や天井を見るために上を向く
  • 狭い場所で身体をひねる
  • 写真撮影のために姿勢を変える
  • 建物の外周や駐車場を歩く

こうして見ると、不動産業を単純に「運動不足の仕事」と考えるのも少し違います。
仕事ではかなり動いている。ただし、自分の身体に合わせて都合よく動けるわけではない。ここがポイントです。

不動産業で起こりやすい身体の不調

不動産業で起こりやすい体の不調

腰痛

不動産業で相談につながりやすい症状の一つが腰痛です。

デスクワークや運転で座っている時間が長い一方、内見では立つ、歩く、しゃがむ、階段を上るといった動作が加わります。さらに看板や資料などを持ち運ぶことがあれば、腰にかかる負担も場面によって変化します。

ここで「姿勢が悪いから腰痛になった」と単純に決めつける必要はありません。
どの姿勢で痛むのか、何時間運転するとつらいのか、歩いている時はどうなのかなど、仕事の中のどの場面で症状が変化するかを見ることが大切です。

お尻から脚にかけての痛み・しびれ

腰だけでなく、お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれを感じる人もいます。

このような症状は、いわゆる坐骨神経痛として現れることがあります。ただし、坐骨神経痛は一つの病名ではなく、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、さまざまな背景によって起こり得る症状です。

長時間の運転や前かがみ姿勢が多く、脚のしびれまで伴う場合には、腰椎椎間板ヘルニアについての解説も参考にしてください。

首・肩のこり

首や肩への負担は、パソコン作業だけで生じるわけではありません。

運転、スマートフォンでの連絡、物件撮影、設備確認などでも首の位置や視線は頻繁に変わります。デスクワークだけを減らせば解決するとは限らず、一日の仕事全体を見る必要があります。

デスクワークと肩こりについて詳しく知りたい方は、デスクワークの天敵「肩こり」を根本解決!で詳しく解説しています。

脚のだるさ・むくみ

長時間のデスクワークや運転が続いたあと、そのまま内見で長く立っている。こうした働き方では、夕方になると脚のだるさやむくみを感じる人もいます。

着圧ソックスを使っている人もいると思いますが、着圧は「履けば何でも解決する」というものではありません。圧力やサイズ、使う場面を考える必要があります。詳しくは着圧ソックスの効果と注意点で解説しています。

膝・足首・足裏の痛み

内見が多い日は、何件もの物件を歩き、階段を繰り返し上り下りすることもあります。

営業職では見た目を意識した革靴やパンプスを履くことも多いため、靴のサイズや形が身体に合っていなければ、足趾、足裏、足首、膝などに負担が集中することもあります。

「仕事で歩いているから運動になっている」と考えるだけではなく、どんな靴で、どんな場所を、どのくらい歩いているのかまで考えることが大切です。

車を降りた直後に腰を痛めることもある

不動産営業の仕事を考えていると、個人的に気になるのが車を降りた直後です。

長時間運転したあとに車を降り、そのまま資料や荷物を持つ。物件に入れば中腰になり、階段を上る。場合によっては急いで動かなければならないこともあると思います。

こうしたタイミングで急に腰を痛め、いわゆるぎっくり腰のような状態になることもあります。

長く座っていたあとだからといって必ず腰を痛めるわけではありませんが、身体を動かし始める時に違和感があるなら、いきなり重い物を持ったり急いで身体をひねったりせず、一度立って身体の状態を確認してから動き始めるのも一つです。

不動産業では慢性的な不調だけでなく怪我も起こる

物件撮影中の転倒

物件写真を撮影している時は、どうしてもスマートフォンやカメラの画面、構図に意識が向きます。

もう少し広く撮ろうとして一歩後ろへ下がったら段差があった。階段の近くまで来ていることに気付かなかった。屋外で足元の障害物につまずいた。

こうした事故を防ぐためにも、撮影する時は「止まる→撮る→移動する」を分けて考える方が安全です。

空室・管理物件の巡回中の転倒

管理業務では、普段使い慣れていない建物や、照明の暗い空室、老朽化した建物などへ入ることがあります。

室内の段差、階段、外構、濡れた床、不整地など、オフィスではあまり遭遇しない環境もあります。

特に初めて入る物件では、「いつもの建物ならここに段差はない」という身体の慣れが使えません。足元を確認しながら移動することも、不動産業では大切な安全対策です。

移動中の交通事故・むちうち

車移動が多ければ、それだけ交通事故に遭う可能性についても考える必要があります。

追突事故などでは、事故直後には大きな痛みを感じなくても、時間が経ってから首の痛み、頭痛、めまい、吐き気、手のしびれなどが現れることがあります。

交通事故後に身体の異常がある場合は、「仕事があるから」とそのまま内見や運転を続けるのではなく、必要に応じて医療機関で評価を受けてください。

夏の内見・空室巡回では熱中症にも注意

不動産業で意外と見落としたくないのが、夏の暑熱環境です。

真夏の屋外で物件を案内するだけでなく、長期間締め切られていた空室へ入ることもあります。エアコンが動いていない室内では、建物の中だから安全とは限りません。

めまい、頭痛、吐き気、強い倦怠感など体調の変化が出た場合は、「あと一部屋だけ」と無理をせず、まず暑い環境から離れることが重要です。

意識がおかしい、自力で水分を取れないなど重い症状がある場合は、速やかに救急対応を検討してください。

不動産業で身体への負担を減らすために

「正しい姿勢」を頑張り続けるより姿勢を変える

デスクワークの対策というと、「背筋を伸ばして正しい姿勢を維持しましょう」と言われることがあります。

もちろん座りやすい環境を作ることは大切ですが、私は一つの姿勢をずっと正解にする必要はないと考えています。

少し立つ、歩く、座り方を変える。長時間運転したあとなら、一度身体を動かしてから次の仕事へ移る。
「良い姿勢を固定する」より、「同じ状態を長く続けない」という考え方も大切です。

長時間運転後はいきなり無理な動きをしない

車から降りた直後に、重い荷物を持つ、中腰になる、急いで階段を上る。

仕事では普通に起こる流れですが、腰や脚に違和感がある日は、一度立って身体を動かしてから次の作業へ入るだけでも動きやすさが変わることがあります。

物件撮影は「歩きながら撮らない」

止まる。撮る。移動する。

かなり単純ですが、画面を見ながら後ろへ下がったり、階段を移動しながら撮影したりするより安全です。特に初めて入る物件では、撮影より先に周囲を確認してください。

靴も仕事道具として考える

営業職では服装に合わせた靴を選ぶ必要もあると思います。

ただ、その一足で運転し、歩き、階段を上り、立ったまま説明をするのであれば、靴も立派な仕事道具です。

デザインだけではなく、サイズ、足幅、踵の収まり、歩いた時の違和感なども確認しておきたいところです。

夏は水分補給だけでなく暑い場所から離れる

暑い空室や屋外で体調が悪くなった時に、「水を飲みながら最後まで案内する」では不十分なことがあります。

まず暑い環境から離れ、身体を冷やし、休む。症状が強ければ医療機関へつなぐ。仕事を続けることより、安全を優先してください。

「仕事だから仕方ない」で済ませない方がいい症状

腰や肩が少し重い程度であれば、休憩や身体を動かすことで変化することもあります。

一方で、すべてを「仕事疲れ」で済ませていいわけではありません。

  • 強いしびれが続く
  • 脚や腕に力が入りにくい
  • 歩き方がおかしい、ふらつく
  • 急激に強くなった腰痛がある
  • 交通事故や転倒後に強い頭痛、吐き気、めまいがある
  • 転倒後に強い痛みや大きな腫れがある
  • 暑い環境で意識状態がおかしい

このような場合には、接骨院で様子を見ることを優先せず、状態に応じて医療機関での評価が必要です。

ARK接骨院では「不動産業」という仕事を分解して考えている

同じ「腰が痛い」という相談でも、一日中デスクで仕事をしている人と、不動産営業でデスクワーク、運転、内見、階段の上り下りを繰り返している人では、身体にかかっている負担は同じではありません。

そのためARK接骨院では、痛い場所だけではなく、仕事の中で何ができなくなっているのか、どの場面で症状が強くなるのかも確認します。

  • 車を30分運転すると腰が痛くなる
  • 物件を何件か回ると脚が重くなる
  • 階段を上る時に膝が痛い
  • 長時間の重要事項説明のあと腰が伸びにくい
  • パソコン作業が続くと首や肩が重くなる

私が普段大切にしているのは、「症状より機能を見る。ただし症状も無視しない」という考え方です。

腰が痛いという情報だけではなく、運転できるのか、歩けるのか、階段を上れるのか、仕事を終えるまで身体が持つのか。
その人に必要な動きを確認しながら、仕事を続けるために何が必要なのかを考えていきます。

まとめ|不動産業は「座り仕事」でも「立ち仕事」でもない

不動産業は、座る仕事でも、立つ仕事でも、運転する仕事でもありません。

そのすべてを一日の中で繰り返す仕事です。

そのため、肩が痛いから肩だけ、腰が痛いから腰だけを見るのではなく、一日の業務を分解して、どの場面で身体への負担が大きくなっているのかを考えることが重要です。

デスクワーク、長時間の運転、内見、物件撮影、階段、立ち仕事。
「仕事だから仕方ない」と我慢する前に、自分の身体がどの仕事でつらくなっているのか、一度整理してみてください。

執筆者 柔道整復師 古田 幸大

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