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サッカーは、スプリント、急停止、切り返し、ジャンプ、キック、相手選手との接触など、下半身へ大きな負荷がかかる動作を繰り返すスポーツです。
そのため一口に「サッカーの怪我」といっても、足首の捻挫のように一瞬で起こる外傷から、繰り返すスプリントによる肉離れ、成長期のオスグッド、膝の靭帯損傷など、さまざまな怪我があります。
ARK接骨院でも、ジュニア世代から高校生、大学生、社会人まで多くのサッカー選手から相談を受けてきました。今回は当院での施術経験やこれまで扱ってきた症例、サッカーの競技特性をもとにした「当院調べ」として、サッカーで注意したい怪我をランキング形式で紹介します。
サッカーの怪我全般については、サッカーで起こる怪我と競技復帰について解説した総合記事もあわせてご覧ください。

| 順位 | 怪我 | よくみられる場面 |
|---|---|---|
| 1位 | 足首の怪我 | 切り返し・着地・接触 |
| 2位 | 肉離れ | スプリント・キック・急加速 |
| 3位 | 膝の怪我 | 成長期・切り返し・着地・接触 |
サッカーでまず注意したいのが足首の怪我です。当院でも足関節捻挫はサッカー選手から非常に多く相談を受ける外傷の一つです。
サッカーでは、相手をかわすための急激な切り返し、ヘディング後の着地、スライディングやタックルによる接触など、足首へ捻りの力が加わる場面が何度もあります。特に多いのが足首を内側へひねる内反捻挫で、外くるぶし周辺にある前距腓靭帯などを損傷します。

詳しいメカニズムや評価については、足関節捻挫の専門ページ、実際のサッカー選手のケースについてはサッカーで起こる足首の捻挫で解説しています。
足首の捻挫で注意したいのは、数日で腫れや痛みが減ったあとです。痛みが軽くなっても、関節の安定性やバランス能力、足首の位置を感じ取る感覚が十分に戻っていないことがあります。
この状態で切り返しや接触プレーへ戻ると、同じ足首を繰り返し捻る原因になります。捻挫を繰り返して「足首がグラグラする」「何度も同じところを捻る」という状態は、慢性足関節不安定症(CAI)へ移行している可能性があります。
サッカーでは急性の捻挫だけでなく、長期間ボールを蹴る、走る、足首を繰り返し反らすことで足首前方に痛みが出るフットボーラーズアンクル(足関節前方インピンジメント)もあります。

「捻った覚えはないけれど、足首の前が痛い」「深くしゃがむと詰まる」「ボールを蹴ると違和感がある」といった場合には、単純な捻挫とは別の問題も考える必要があります。
2位は肉離れです。サッカー試合中、一定速度を保って走るだけではなく、静止状態から一気に加速したり、トップスピードまで上げたり、急停止したりする動作を何度も繰り返します。

特に多いのがハムストリングス(太もも裏)の肉離れです。全力疾走では、脚を前へ振り出したあと、地面へ接地する直前にハムストリングスが引き伸ばされながら大きな力を発揮します。この負荷に筋肉が耐えられなくなると損傷につながります。
サッカーの肉離れについては、太もも裏や股関節に起こるサッカー特有の肉離れで詳しく紹介しています。
サッカーではハムストリングスだけではありません。強くシュートを打つために脚を後方へ振り上げたときには太もも前の大腿直筋、インサイドキックや大きく脚を開いた切り返しでは内転筋群にも負担がかかります。
股関節周囲に痛みが続く場合は、単純な肉離れだけでなく鼠径部痛症候群(グロインペインシンドローム)なども考えます。

サッカーと股関節痛については、サッカー選手に起こる股関節・鼠径部の痛みでも紹介しています。
肉離れは「普通に歩けるようになった」「軽く走っても痛くない」だけでは、サッカー復帰には十分とは限りません。競技では、その後に全力スプリント、急停止、方向転換、シュートまで行う必要があります。
そのため復帰では、痛みだけでなく可動域、筋力、左右差、スプリント時の不安、キック動作などを段階的に確認していくことが重要です。
3位は膝の怪我です。ただし、膝については年齢によって注意したい怪我が大きく変わります。
成長期のサッカー選手では、膝の下にある脛骨粗面が痛くなるオスグッド・シュラッター病が代表的です。

成長期には、骨の成長に対して筋肉や腱の柔軟性・適応が追いつきにくい時期があり、大腿四頭筋から膝蓋腱を介して脛骨粗面へ繰り返し牽引力が加わります。そこへサッカー特有のダッシュ、急停止、キック動作が重なることで、痛みが出やすくなります。
実際のサッカー選手におけるオスグッドについては、サッカー選手のオスグッドと競技継続の考え方で詳しく解説しています。
一方、サッカーで大きな離脱につながりやすい膝の外傷として前十字靭帯(ACL)損傷があります。

ACL損傷は、相手との接触だけでなく、急激な減速や方向転換、着地などでも起こります。発生には下肢の使い方、速度、床面・芝、筋力、疲労など複数の要因が関係するため、「膝が内側へ入ったから切れる」という単純なものではありません。
受傷時に膝が大きく腫れた、体重をかけにくい、膝崩れを感じる、伸ばしきれないなどの症状がある場合は、自己判断でプレーを続けず医療機関での評価が必要です。
今回TOP3には入れていませんが、サッカーでは次のような怪我にも注意が必要です。
骨折や重度の靭帯損傷、頭部外傷などが疑われる場合は競技を中止し、医療機関での評価を優先します。
サッカーで起こるさまざまな怪我については、サッカー外傷の総合解説も参考にしてください。
サッカー選手から相談を受けていると、「病院で2週間休むように言われた」「大会が近いから何とかプレーしたい」という話を聞くことがあります。
ARK接骨院が大切にしているのは、怪我を無視して無理にプレーさせることではありません。反対に、怪我をしたからといって身体活動のすべてを止めることでもありません。
守る必要がある組織は守りながら、続けられる練習や身体機能は維持する。つまり「休ませない」のではなく、必要以上に休ませないという考え方です。
怪我からの復帰は「痛みがなくなった日」がゴールではありません。
このように競技動作を段階的に戻し、患部がサッカー特有の負荷に耐えられるかを確認していきます。競技復帰は治療が終わってから考えるものではなく、治療を始めた時点から逆算して準備していくものだとARK接骨院では考えています。
ARK接骨院での施術経験や競技特性をもとにした当院調べでは、足関節捻挫を中心とした足首の怪我を1位としています。切り返し、着地、接触など、サッカーには足首へ捻りの力が加わる場面が多くあります。
代表的なのは太もも裏のハムストリングスです。そのほか、キック動作では太もも前の大腿直筋、切り返しやインサイドキックでは内ももの内転筋群を傷めることもあります。
成長期の選手で膝の下にある脛骨粗面が痛む場合、オスグッドは代表的な原因の一つです。ただし、膝の痛みにはほかの原因もあるため、痛む場所や腫れ、動作、受傷状況などを確認する必要があります。
怪我の種類と重症度によります。患部を保護する必要があっても、上半身のトレーニングや痛みのない範囲での運動など、継続できる活動がある場合もあります。
今回、ARK接骨院での施術経験やサッカーの競技特性をもとに、多い怪我をランキング形式で紹介しました。
サッカーでは、怪我を完全にゼロにすることはできません。しかし、怪我をしたあとに状態を正しく評価し、必要な部分を守りながら段階的に競技動作を戻していくことで、復帰までの過程は大きく変わります。
「試合が近い」「できるだけ競技から離れたくない」「何度も同じ怪我を繰り返している」という場合も、まずは現在の身体がどこまで動けるのかを整理することから始めましょう。
執筆者 柔道整復師 古田 幸大
