テニスは、年齢や性別を問わず生涯楽しめるスポーツとして世界中で愛されています。 しかしその一方で、「試合時間が決まっていない(数時間に及ぶこともある)」「急発進と急停止を絶え間なく繰り返す」「ラケットでボールを打つ強烈な衝撃が身体に伝わる」 という非常に過酷な特性を持っており、身体への負担が極めて大きいスポーツでもあります。
この記事では、これまで800人以上のテニスプレーヤーへの施術歴を持つARK接骨院代表の古田 が、最新のスポーツ医学のデータに基づき、テニスで起こりやすい怪我の原因から、ラケット選びの注意点、正しい予防法までを徹底解説します。 東海市・大府市・知多市でテニスの怪我(テニス肘、肩の痛み、腰痛など)にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
年齢別で違う!テニスの怪我の傾向
テニスの怪我は、プレイヤーの年齢や骨格の発達段階によって、痛めやすい部位が大きく変わります。
小・中学生(ジュニア世代): まだ骨や関節が成長途中のため、長時間の練習やオーバートレーニングにより、腰や体幹の怪我(腰椎分離症など) が非常に多く発生します。
大人・シニア世代: 長年のプレーによるダメージの蓄積や、加齢に伴う組織の柔軟性低下により、下半身(膝やアキレス腱など)や腕の腱の怪我 の割合が最も高くなります。
テニスで頻発する【部位別】の怪我と発生メカニズム
上半身の怪我(腕・肩・手首)
テニスにおいて最も悩む人が多いのが、腕や肩の慢性的な痛み(オーバーユース障害)です。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎) : テニスプレーヤーの約半数が経験すると言われています。主な原因はバックハンドストロークやボレーでの「打点の遅れ」 です。体がボールに押されて手首が折れ曲がるのを無意識に防ごうとして、腕の筋肉が無理に引っ張られ、肘の外側の付着部が微小断裂を起こします。
肩関節の痛み(インピンジメント症候群など) : サーブやスマッシュで腕を振り下ろす際、肩の後ろ側の筋肉には急ブレーキをかけるための強烈な負担がかかります。また、疲労により「肩甲骨」の動きが悪くなると、肩の関節内で組織が挟み込まれ(インピンジメント)、鋭い痛みを生じます。
手首の小指側の痛み(TFCC損傷) : 強烈なトップスピンをかけるための「ワイパースイング」など、手首を急激にこねる・捻る動作の繰り返しによって、手首の小指側にある軟骨(三角線維軟骨複合体)が損傷します。
体幹・腰の怪我
サーブで腰を大きく反る(トロフィーポーズ)動作や、ストロークでの急激な身体の捻りは、腰椎(腰の骨)にすさまじいストレスをかけます。 特に成長期のジュニア選手の場合、この反復ストレスによって腰の骨が疲労骨折 を起こす「腰椎分離症(ようついぶんりしょう) 」 が多発します。背筋や腹筋(コア)の弱さ、お尻の筋肉の硬さがこのリスクを跳ね上げます。
下半身の怪我(足首・膝・アキレス腱)
予測不能な方向への急発進とストップを繰り返すテニスでは、下半身の怪我も避けては通れません。
足首の捻挫(足関節捻挫) : 急な切り返しや、サーブの着地時にバランスを崩して足首を内側に捻ることで発生します。
アキレス腱炎・断裂 : スプリットステップからの急ダッシュなど、ふくらはぎからアキレス腱にかけて急激な引っ張り力が加わることで発症します。
ジャンパー膝(膝蓋腱炎) : サーブのジャンプや、深いボールへの踏み込みにより、太ももの前の筋肉が酷使され、膝のお皿の下に炎症を起こします。
怪我の黒幕?「手打ち」と「疲労」の恐ろしい関係
テニスの力強いボールは、腕力だけで打っているわけではありません。下半身(足の踏み込み)から始まり、体幹の捻りを経て、最後に肩や腕へとエネルギーを伝える「運動連鎖(キネティックチェーン) 」 が不可欠です。 実は、サーブやストロークのスピードの大部分は、この「下半身の力」で作られています。
しかし、試合後半に疲労が溜まってくると、下半身が踏ん張れなくなります。すると、足りないパワーを無理やり補おうとして、腕や肩だけでボールを強く叩きにいく「手打ち」 になります。 この時、肩や肘には通常の20〜30%も増しで異常な負荷がかかり、これがテニス肘や肩の痛みの直接的な原因(黒幕)となるのです。
道具(ラケット・ガット)とコート環境の見直し
テニスは用具の選び方一つで、怪我のリスクが劇的に変わります。
硬すぎるラケットはNG: フレームが硬すぎる(しならない)ラケットは、ボールを打った瞬間の衝撃を吸収できず、ダイレクトに肘へダメージを伝えます。
ガット(ストリング)の素材とテンション: 現在主流の「ポリエステル素材」のガットは、スピンがかかりやすく長持ちしますが、非常に硬いため腕への負担が絶大です。肘に痛みがある場合は、柔らかい「ナイロン(マルチフィラメント)」に変更するか、ポリエステルの場合はテンション(張りの強さ)を低く設定することを強く推奨します。
コートサーフェス(表面): ハードコートは球足が速い反面、足腰への衝撃が大きく下半身の怪我が増えます。一方クレー(土)コートは足には優しいですが、高く弾むボールを打つため肩の疲労が溜まりやすい特徴があります。
東海市でテニスの怪我にお悩みならARK接骨院へ
テニスで怪我をした際、「痛みが引いたから」とすぐにフルスイングの練習に戻るのは非常に危険です。低下した筋力や崩れたフォーム(代償動作)のまま復帰すると、確実に再発します。 現在は、怪我をしてすぐに完全に安静にするのではなく、患部を保護しながら早期に適切な負荷をかけて治癒を促す「PEACE & LOVE処置 」 というアプローチがスポーツ医学の常識となっています。
ARK接骨院では、800人以上のテニスプレーヤーを施術してきた豊富な経験をもとに、ただ痛みを抑えるだけでなく「なぜそこが痛くなったのか」という根本原因を見つけ出し、競技復帰を徹底サポートします。
当院ならではの3つのテニス特化型アプローチ
徹底した「運動学的テスト」による原因特定 画像診断だけでは分からない「動きの中の痛み」を見つけ出します。関節の可動域や筋力、靭帯のストレスをチェックする各種テストを組み合わせ、どの組織が、どのような動作でダメージを受けているのかを正確に特定します。
個人差のない確実なアプローチ「フロスティング&加圧」 特殊な電気治療器などは、患者様によって「合う・合わない」の個人差が大きく出ます。そのため当院では、誰にでも高い効果が見込める「フロスティング(筋膜リリースバンド) 」 や「加圧(血流・代謝の亢進) 」 をメインに採用しています。血流を一気に促進し、テニス肘や腱の炎症など、治りにくい組織の修復スピードを極限まで高めます。
フォームチェックから痛みの根本を断つ「運動連鎖の指導」 痛みが引いても、フォームが悪ければ必ず再発します。当院では、実際の素振り(シャドースイング)を確認し、下半身から上半身への力の伝達(キネティックチェーン) が正しく行われているかを厳しくチェックします。 実際にあったケースとして、「膝の内側が痛い(鵞足炎:がそくえん) 」と訴える選手のフォームを見たところ、股関節と腰の連動性が悪く、ストローク時に膝へ過剰な「捻りのトルク(ねじれ)」がかかっていることが原因でした。このように、フォームのエラーを修正することが、最強の怪我予防になります。
テニスの怪我に関するよくある質問(Q&A)
テニス肘がなかなか治りません。ラケットやガットを変えるべきですか?
A. 治りが悪い場合、用具の見直しは必須です。 硬いポリエステルのガットを高いテンションで張っている場合は、柔らかいナイロンガット(マルチフィラメント)に変え、テンションを落とすだけでも肘への衝撃は大幅に軽減されます。また、ボールの打点が遅れていないか、フォームのチェックも同時に必要です。
大会が近いのですが、足首を捻挫してしまいました。出場できますか?
A. 状態によりますが、最善の処置と特殊なテーピングで出場を目指すことは可能です。 ただし、無理をすれば慢性的な不安定症(捻挫癖)になるリスクがあるため、各種テストで損傷程度を正確に把握し、試合後の徹底したケアをお約束いただいた上で判断します。まずは一度ご相談ください。
中学生の子供が「腰が痛い」と言っています。テニスを休ませるべきですか?
A. 早急に専門家の診察を受けてください。 ジュニア世代のテニスにおける長引く腰痛は「腰椎分離症(疲労骨折)」の可能性が高いです。放置して悪化すると、長期間スポーツができなくなるだけでなく、将来的にすべり症に移行する危険があります。自己判断での放置は絶対にNGです。
痛みがなくなったら、すぐに元の練習メニュー(フルスイング)に戻っていいですか?
A. いきなりのフルパワーでの練習再開は再発のリスクが高いためお控えください。 痛みが引いた後も、まずは素振り(シャドースイング)から始め、次に柔らかいボールや球出しの軽いラリー、そして徐々にサーブや試合形式へと、段階を踏んで負荷を上げていく「競技復帰プログラム(RTP)」に則って進めることが安全です。
▼テニスで起こりやすい各症状の詳しい解説はこちら
執筆者 柔道整復師 古田 幸大
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